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創業者の性格がスタートアップの成功に大きな影響を与える

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ON&BOARD TIMES編集部/ON&BOARD TIMES編集部
BY ON&BOARD TIMES編集部

ON&BOARDでは、創業前や創業直後の起業家と日々面談を行い、事業に関する議論を行っています。特に創業フェーズのチーム編成についての相談が多く寄せられますが、創業チーム作りにおいて欠かすことができない重要な視点は何でしょうか?

最新の研究によると、創業者の性格や創業チームの性格構成が、スタートアップの成功に大きな影響を与えることがわかりました。

この研究では創業者の性格を心理学理論「ビッグファイブ(Big Five personality traits)」を使って分類したところ、業界選定・創業からの年数よりも重要な要素になるとしています。

創業チームの性格を理解することで、経営チーム・組織作りにおいて、新たな視点をもたらすのではないでしょうか。

目次

  • そもそもビッグファイブ理論とは
  • 3人創業は成功確率が2倍高くなる?

そもそもビッグファイブ理論とは

これまで、スタートアップの成功においては、選定した業界、創業者の経験、投資家とのネットワークが重要な要因であるとされていました。

そんな中、21,187社のスタートアップ創業者の性格特性をビッグファイブをもとに分析したところ、スタートアップの成功確率(M&AもしくはIPOによるEXIT)に一定の影響を与えていることがわかりました。

創業者の性格は、創業からの年数よりも2倍、業界選定よりも5倍ほど、成功に与える影響が大きかったのです。

研究者らは機械学習、統計テストなどを組み合わせて、心理学理論「ビッグファイブ」をもとに、6つの創業者タイプを特定し、最も成功確率が高くなる性格を特定しました。

「ビッグファイブ」は以下の5要素の強弱から、性格を分析するものです。
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・外向性(外向的傾向⇔内向的傾向)
(構成要素) 友好性 、社交性 、自己主張 、活動レベル 、興奮性 、陽気さ

・協調性(協調的傾向⇔排他的傾向)
(構成要素) 信頼 、道徳 、利他主義 、コンプライアンス 、謙虚さ 、同情心

・誠実性(勤勉的傾向⇔怠惰的傾向)
(構成要素) 効率性 、組織化 、忠実さ 、成果志向 、自己規律 、慎重さ

・情動性(論理的傾向⇔情動的傾向)
(構成要素) 不安 、怒りの感情 、抑うつ 、自己意識 、脆弱性 、感情の揺らぎ

・開放性(創造的傾向⇔保守的傾向)
(構成要素) 想像力 、芸術的関心 、情緒の深さ 、冒険心 、知的好奇心 、自由主義

これらの要素の充足度合いをもとに、さらに6つのタイプに分けることができます。

このうち、FighterはCTO、CPO、CCO(Chief Commercial Officer)、AccomplisherはCEO、CFO、COOである傾向が高くなっています。

3人創業は成功確率が2倍高くなる?

その上で、3人で創業しているケースでは、単独創業よりも成功確率が2倍高くなることが明らかになりました。

特に以下の3パターンではさらに2倍以上、成功確率が高くなります。

  • リーダー1人と開発者2人
  • 運営者1人と開発者2人
  • 専門家/エンジニア1人、リーダー1人、開発者1人

『The impact of founder personalities on startup success』より

これらの分析から、スタートアップの成功は、個々のメンバーの能力に依存するのではなく、チームメンバー間の相互作用が非常に重要であることが示唆されています。

創業メンバーや社員の採用の他、チームの相互理解を深める観点でも性格診断を活用することはとても有効でしょう。

ON&BOARDの創業チームにおいても、社内のメンバーで性格診断結果を共有しあってみましたが、お互いにどのような性格なのか薄々気が付いていた点を改めて相互に認識することができました。

お互いに取り扱い説明書を開示し合うようなもので、チーム作りにとってプラスに働いたと感じています。